イラストレーター 牛嶋浩美  ●インタビュー


   子どもたちの明るい笑顔、あたたかい雰囲気が印象的なイラスト。牛嶋浩美さんの絵は見る人を幸せな気持ちにさせてくれる。そして絵柄から溢れてくる温かさは、牛嶋さんの人柄にそのまま通じている。そんな牛嶋さんが絵を描き始めたのは意外にも遅く、大学卒業後だそう。
「大学は国際関係政治経済を学んでいたんですが、どうしたら世界が平和になるのだろう、戦争がなくなるのだろうという考えが当時からあって。絵でそういったことを伝えたいと思ったんです。だけど結局たどり着いたのは、一人ひとりの心のあり方、自分の気持ちをちゃんと真ん中に持ってこれる、たとえば嫌なことは嫌と言えるようなことが、まず大事と気づいて。今、世の中は個人個人のネガティブな感情や思いが、そのまま吐き出されているような気がして、そこに光を出したい、と思ったんです」
 1997年からユニセフのクリスマスカードにイラストを描き続け、さらに最近はカンボジアの女性たちとコラボレーションしてカラフルなバッグを作り、自身の個展などで販売している。
「もともと現地の女性の経済的自立を促すために、バッグのつくり方だとかを指導している人たちがいて、私の友人が紹介してくれたんです。彼女たちが自活するためには、商品そのものが売れなくちゃいけないですよね。けれど、作っているものを見せてもらったら、民芸調のものっていうか、お土産物っぽい感じがしたので、何か私ができることがないかな、と企画したんです。現地の女性たちがひとつからでも手づくりをしてくれると言ってくれたので、自分の資金内でできる範囲で、私のイラストがついたバッグをオーダーして作ってもらうことを始めました。個人でやっているので、そんなにたくさんは作れないんですけどね」
 自分のできる範囲でオーダーをして買取り、個展で売る。仕事を発注するという支援の仕方は、単純に寄付をするといったものよりも、未来へと繋がる新しい仕組みだ。もちろん、このバッグには、牛嶋さんならではの感性が生かされている。
「カンボジアシルクって発色がすごくキレイなんですよ。色のエネルギーがすごくあって、ちょっと持つことで気分が明るくなるんですよね。色って目を瞑ってても、ちゃんと肌で感じるみたいで、それだけ体に作用もするっていうことでしょう。普段はピンクを買わない人でも、持つだけで気分が違うっていう効果を知って欲しいなと思ったんです」
 ユニセフのクリスマスカードとカンボジアとのコラボレーションバッグ。そのどちらも、ボランティアとしての活動。その情熱は、どこから湧き出ているのだろう。
「基本的に子どもが幸せになってほしいという願いを込めてやっているのですが、それにはまずお母さんが元気じゃないといけない。本来子どもはどこの国の子も元気なんですね。でもそれはお母さんのあり方次第。旦那さんの考え方にも影響されますが、お母さんが自立していれば自分の考えも主張できるようになりますし。さらに最近思うのは、日本のお母さんや結婚を憂いている女性たちのこと。女性が本来持っている力を気持ちよく出せるような後押しをしてあげたいですね。これからも絵を通して女性を元気づけられれば、と思っています。」