見て、触れて、体験して。旅は世界を知るエントランス

Guest
浜島 直子 モデル

ワタミグループ代表の渡邉美樹をホストに、さまざまな分野のキーパーソンと語り合う、対談連載オークン・トーク。今回は、テレビ番組『世界ふしぎ発見!』(TBS)で、ミステリーハンターとして世界中を旅している浜島直子さんと、旅のお話で盛り上がりました。

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“あるもの”を数えられる、豊かな心に触れた旅

渡邉 本当にいろいろな国へ行かれてますよね。昔から旅はお好きだったのですか?

浜島 好きですね。19歳のときに広島、長崎、沖縄に行ったのが最初のひとり旅です。小学校の頃『はだしのゲン』を読んだのがきっかけで、その場所に行ってみないとわからないと思って。

渡邉 すごい! 問題意識が高いですね。最初にその場所は、なかなか選ばないよ。

浜島 旅から帰ると、お年寄りの話に耳を傾けるようになりました。間口も広がって、自分のものさしを押し付けなくなったかな、と。

渡邉 私は最初に本格的な旅をしたのは、20歳のときの日本一周。いろんな人に出会って、応援してもらったけど、反省しているのは、3人で行ったこと。本当の出会いは、ひとりでしか生まれないと思う。

浜島 ひとりだと周りも話しかけやすいですよね。

渡邉 最近は、若い人があまり旅をしないそうですね。それに日本からの留学生が激減している。チャレンジ精神がなくなったのかな。

浜島 残念ですよね。私は旅を通して、いろんな経験をしているから、余計にそう思います。

渡邉 たとえばどんなこと?

浜島 以前テレビ番組で、ボリビアのチパヤ族にお世話になったんです。彼らはフラミンゴ猟をするんですが、その日に食べる分しか獲らない。猟の前に、タバコとコカの葉っぱをかんで、お酒を飲んで、歌って、お祈りします。それとまったく同じことを大地にもするんです。地面にもコカとタバコの葉、お酒を撒いてキスをする。そして獲ったフラミンゴは苦しまないように、すぐ殺して、お祈りをして、全身余すことなく使う。そんなふうにいろんな国の生活の習慣とか文化を、見て触れて体験することで、相手を認められるようになった気がします。

渡邉 ほんとそうだよね。相手の立場に立てるというか。本当の国際人って、自分の国を愛して、その愛するがゆえに「相手も自分の文化を、国を愛しているんだな」と思える共有感覚だと思う。

浜島 それともうひとつ、ボリビアは標高が高くて、乾燥地帯なんですね。「風も強いし、野菜もできないし、村に降りれば便利なのに、どうして何もないところに住み続けているんですか?」って聞いたんです。そうしたら「どうして何もないと思うの? 何もないって思えば思うほど、本当に何もなくなる。今あるもので、どうして感謝できないの?」って言われました。ハンマーでガンと殴られたみたいな衝撃を受けて。物質的には恵まれているけれど、私がいかに貧しい生活をしていたか、彼らがいかに豊かに生活をしているかって思い知らされました。

渡邉 よくわかります。支援しているカンボジアの孤児院で、子どもたちに困っていることはないか、何か欲しい物はないかって聞くと、「私は寝るところがなかった、落ちているものを食べて生きてきた、勉強することが夢だった。でも、今は全部ある。これ以上、いったい何を望んだらいいですか」って。中学生がですよ。“あるもの”を彼らは数えられるんだよね。

浜島 ショックですよね。いろいろな国の現状を見てきたからこそ、私は無力だけど、何ができるのかなっていうのをすごく考えます。

渡邉 いつも思うのは、世界を変えていくのは人間の心。だからどうにかしようと思えば必ず変わる。一緒に一歩を踏み出しましょう。